手数料の2重提示
ファクタリングを行うためには必ず手数料が必要になります。
どれだけ少額の売掛債権でも手数料を支払わずに売却を行うということはできません。
そんなファクタリング手数料に関して、最近問題になっているのが2重提示です。
ここでは、この問題を詳しく紹介していきたいと思います。
2重提示とは
まず初めに、2重提示とは何かというところから説明していきます。
2重提示とは、文字通り手数料を2重に提示することを意味します。
常識的に考えれば、手数料については正しい数字を一度だけ提示するのが当然です。
しかし、数あるファクタリング業者の中には、それぞれに異なった額の手数料を2度に渡って提示する会社が存在するのです。
さてそこで問題になるのが、どのタイミングで手数料が提示されるのかという点です。
これについては業者によって多少の違いがあるのですが、多くの場合には見積書を作成する前に1度目の提示が行われ、契約書を交わす段階で2度目の提示が行われることになります。
そしてここが重要なのですが、手数料の2重提示が行われる場合、必ず1度目の提示よりも2度目の提示の方が手数料が高くなります。
これがファクタリング手数料の2重提示です。
2重提示を行うのはどんな業者か
ファクタリング手数料の2重提示は決して一般的なことではありません。
業界全体で見ても、こうしたことを行っている業者というのは1部の特殊な業者に限られています。
では、それがどのような業者かと言うと、一言で言えば悪徳業者ということになります。
ファクタリング業者の中には悪徳な業者がかなりの数で存在していると言われていますが、そうした業者の手口の一つが手数料の2重提示なのです。
悪徳業者による2重提示の手口
ファクタリング手数料の2重提示を行う悪徳業者は以下のような手口を用いています。
まず初めに、HPや宣伝広告に相場を大きく下回った破格の手数料を記載します。
2社間のファクタリングの場合には手数料は売掛金の10%〜30%程度になりますが、悪徳業者は多くの場合5%前後の手数料を提示します。
そして次に、この破格の手数料に惹かれて売掛債権の売却を申し込んできた企業との契約を進めていきます。
この段階ではまだ、納入企業に対しては1度目に提示された手数料しか知らされません。
ところが次の段階、つまりは契約の直前になって、2度目の手数料の提示が行われます。
2度目の手数料というのは言うまでもなく、悪徳業者が1度目の提示では隠しておいた本当の手数料ということです。
この段階で提示される手数料には悪徳業者の中でもかなりバラつきがありますが、10%〜30%という相場は当然上回りますし、それ以上の手数料になることケースもザラにあります。
尚、悪質業者が2度目の提示で手数料を引き上げる際に使う口実には以下のようなものがあります。
- 保証人や担保が無ければ費用を増額するしかない
- 最終的に1社に絞り込んだ段階で始めとは事情が変わったため、手数料を増額する
またこの他にも、見積書の記載額よりも手数料を増額した契約書を提示し、企業に対して説明も無くサインを要求する業者というのも存在します。
いずれの場合でも、1度目に提示された手数料で売掛債権を売却できることは絶対にありませんので、このような状況に陥った場合にはきっぱりと契約を中止するようにしましょう。